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登山初心者が考える登山用品(冬靴編)

今回は、登山レポートではなく、

登山に欠かすことのできない、登山用品について、

登山経験の浅い初心者が、身勝手に、あれこれ考えてみようと思います。

第2回目は、「雪山登山靴」についてです。

登山用品において、最も高価な部類に入るモノ。それが雪山用登山靴(冬靴)ではないかと思います。

自分もそうでしたが、初めて買う場合、その値段にヤラれて、躊躇したり、購入を見送ることはとってもわかりますが、 少しでも雪山に登るなら、(当たり前ですけど)絶対に買うべきです。 自分も、もっと早く、何で買わなかったのか、後悔しています。

ただ、やっぱり高い買い物だし、「靴好きが集まる」登山部ということで、

靴選びには、コダワリを持って、納得して選びたいトコロ。

ということで、自分が冬靴の購入にあたって、

色々試し履きした感想を書いていこうと思います。

当然ですが、足の形は、千差万別なので、

自分の履いた感想が他の人に当てはまる訳ではないと思います。 ただ、一つの目安として、これから冬靴買う!と考えている方の参考になればと思います。

今回も長いですが、最後までお付き合い頂ければ、コレ幸い。

■今回のまとめ

①雪山で見かけるツートップの、ネパールとモンブラン、皆が履いているのには理由があると納得。

②サイズは少し大きめを目安に選ぶ。

③デザインよりも足に合うかが最も重要。

④あえて、予算は考えない。

2月25日(土)の谷川岳において、二度目のホワイトアウトを食らい、 足元は、寒さでジンジンするという、危険な状態に。

幸い、凍傷にはなりませんでしたが、このままでは、大事に至るのは時間の問題と感じ、 帰りの車中で、禅問答のような瞑想法を繰り返し、冬靴を買おうと決めました。

そうと決まれば、帰宅して、道具を片付けた後、

早速、Googleと登山雑誌を駆使して、冬靴リサーチを始めます。

ネットや雑誌を見ると、

皆々、LA SPORTIVAのNepal EVO GTXを履いていたり、紹介しています。

ここで(止せばいいのに)、ひねくれ者の精神が発動してしまいます。

「みんな履いているなら、違うのにしたいな。」の精神です。

しかし、登山靴はビジュアルだけでなく、自分の足に合うかが重要なので、 最終的にネパールEVOが一番フィットすれば、それにしようかなと思いました。

あと、予算。大体、6万位で買えれば良いかなと考えていましたが、 ネパールEVOは7万越えの値段...

足に合わない6万の靴か、足に合う7万オーバーの靴かと問われれば、 間違いなく、後者なので、予算も特に考えないことにしました。

外見、予算、特に考えないことにしましたが、

リサーチ段階で、ビジュアル的に気に入ったのがコレ

アッパーは、4㎜厚のスエードが使われていて、重厚感が凄そう。 足に合うなら、絶対これにしよう!

ということで、決戦は日曜日。車を走らせ、最寄りの石井スポーツへ赴きます。 余談ですが、前橋IC沿いの国道17号線には、

石井スポーツ、モンベルストア、WILD-1とアウトドア専門店が並びます。 登山後、「あ、これ必要だな。」と思うものをすぐに買うことが出来るので、

財布の軽量化に一役買っています。

車を停め、雪山用で使っている、モンベル製 極厚手靴下を片手に店内へ。

お店の奥に登山靴コーナーがあるので、脇目も振らず、そこへ向かいます。

店員さんを呼んで、冬靴の購入を考えていること、

初めて買うこと、普段履いている靴のサイズを伝えました。 尚、靴のサイズは、自分、ヤツミネGTXでEUサイズ42を履いています。 ヤツミネGTXは、石井スポーツ専売なので、

石井スポーツの店員さんに、サイズ感が伝わりやすいのではないかと考えたからです。

ヤツミネGTXは、自分の足によく合っていて、 横幅、土踏まずの高さ、踵のフィット感がとても良くて、足は痛くなく快適です。

ヤツミネ履いた感覚も店員さんに伝えると、

「サイズは、一つ上の43を試してみましょう。」との事。

ほほーう、どうやら冬靴は、靴下が厚手になったり、サイズが小さすぎると、

締め付けられて血行が悪くなるため、少し大きめが目安だそうです。

やっぱりサイズ、重要ですねー。 「では、まずは、同じAKUで合わせてみましょう。」と提案されました。

ということで、まず試したのはコチラ。 AKU MONTAGNARD GTX

つま先に、アメリカが研究費をつぎ込んで開発ことに定評のある、

プリマロフトが詰まっているそうで、保温性が売りのようです。

足を入れてみると... うーん、ちょっと横幅が狭い気がする。でも、許容できる位。 紐を締めると... う、結構足首が硬いなと感じる。

そのせいか、斜面に足を踏み込むと踵が浮く感覚があります。 それと、一番気になるのが... つま先が上から押さえつけられるような感触があります。 店員さんに尋ねると、やはり、つま先のプリマロフトが影響しているそうです。 履いていけば、ロフトが少し潰れて、違和感が軽くなると言われましたが... いやいや、どれ位潰れるかも読めないし、

第一、違和感を感じながら登るのは嫌だなと考えました。

申し訳ないですが、これは却下。

同じような構造のAKU SERAI GTXも同じだろうと思ったので、 コチラは、履かず終いでした。あと、ヤツミネと被るんですよね。色が。

次は、足幅にゆとりのある靴はどれかと聞いたところ、 出して頂いたのは、コレ。

SCARPA Mont Blanc GTX

ネパールEVOと並ぶ、冬靴定番モデルだそうです。 確かに、蓼科山と谷川岳でも見た気がします。

足を入れてみると...お!広い! 履いてみた感覚は、足幅にとても余裕がある感じ。指も動かせる。 紐を締めても、足首がとっても動かしやすい。踵も動かない。 お、これ、いいじゃん!もう決定でしょ!と思って、お店にある斜面台に乗ってみると... あ、あれ...? 靴の中で足が、少しブレる感じが。 サイドステップみたいに斜面を降りてみると、やっぱり足が動く!

一瞬でも、気になり始めると、もう気になってしょうがない感じに。 店員さんにもそれを伝えると、足が動くと靴ズレが起きやすいし、

もし、この先、テクニカルな事(バリエーションルートやアイスクライミング)をしていく場合には、細かい足運びが命取りになるので、幅広ずぎて足が動きすぎるのも逆に良くないそうです。

ということで、モンブランも却下。

もう少し、幅が狭いのをリクエストして、 Zamberlan Mountain PROを出してもらいました。

好きなデザインなんで、足が合ったら、神速で買う予定。

手に取ってみると、やっぱり4mm厚スエードは伊達じゃない(νガンダム感)。 重厚感は、今までで一番です。 足を入れると...せ、せまい。今度は狭すぎる! 甲から足先にかけてキツキツで、締め付けられている感じが強いです。 足首は結構硬め。

残念ながら、大分幅狭のため、これも却下。

PHANTOM GUIDEがセール価格になっていました。 一瞬、さっきのSCARPAが幅広だったので、ワンチャンあるかな、と思いましたが、 見た目が、極端にガチすぎるのと、

個人的にジッパー付きの靴は、フィッテングに難があると思っている(※)ため、

履かずにスルー。 ※用途は違うんですけど、ジッパー付のバッシュを履いた時、余りに甲の高さが合わずに(自分の足:甲高、バッシュ:甲が低い)ジッパーが上まで締めれない経験を何回かしているので。

ココでようやくネパールEVOを試着。

履いてみると、なんだこれ!踵のホールド性が最高すぎる!!!

先程のモンブランGTXより、遥かに微動だにしません。

手で踵をグイと押さるようにホールドしているけど、こわばりや違和感が全くない感じ。これは凄い。足首も、とても柔軟に可動して、動かし易いの一言。

うん、これはベストセラーなのにも納得です。

...が!立って歩いたり、斜面を上り下りしてみると、

土踏まずが少し高めなのと、足の親指付け根と小指が当たる感じがしました。

指が当たる要因は、

アウトソールのターンインがキツめだからではないかと考えています。

それ以外は、文句無しな感じでした。さすが、高価なだけあります。

ここまで、色々履いてきて、候補はモンブランGTXか、ネパールEVOと言った感じ。

でも、どちらも何処かに妥協しないといけない点があるのも事実。

幅が広くて、足がちょっと動くモンブランか、

土踏まずが高くて、指が当たるネパールか...

そんな感じで、購入に踏み切れず、悩んでいたら、

店員さんがまた別の靴を提案してくれました。

それが、モンブランプロでした。

先程のモンブランGTXを改良?進化??させて、

一般縦走だけでなく、アイスクライミングにも幅広く対応できるモデルだそうです。

カットの高さは、ゲイター風味な感じで、今までで一番高い感じです。

足を通してみると、お!!これは良い!!!

自分の足には、とても合っていて、足もブレない感じです。

土踏まずの高さも気にならないし、踵もネパール程ではないけど、動きません。

あと、履いた感覚は、NIKEでいうとハラチフィットのような包まれる感じでした。

それもそのはず、モンブランプロのタンは、

ウェットスーツのようなポリウレタン製になっていて、ぴたりと足に合ってくれます。

おかげでカットが高いのにも関わらず、足首が動かしやすいです。

LA SPORTIVAとSCARPAは、足首が動かし易いと印象が強かったです。

気になる点としては、タンがレザーではないので、保温性はどうかと言う事。 店員さんに聞いてみると、素材が変わっても、

この手のシングルブーツの保温性は変わらないそうです。

より保温性を求める場合は、ダブルブーツ、ゲイター付きやプラスチックブーツが良いそうです。

あとは、どこら辺の山に登れるかも聞いてみました。 真冬の劔岳とか北アルプスとかは、絶対に無理だし、行こうとも思わないので、考えないとして.... 店員さんには、「まずは、谷川岳や武尊山のような群馬の雪山に登りたい。

将来的には、経験を積んでですけど、

1月~2月の八ヶ岳 赤岳に登りたいと考えています。」と自分の考えを伝えました。

回答としては、群馬県の雪山なら、モンブランプロで全く問題なし。

八ヶ岳も十分に対応できます。赤岳鉱泉にあるアイスキャンデーにも挑戦出来て、

登山とアイスクライミング、どちらも楽しめます。とのことでした。

自分の足にも合うし、自分の目的の山にも全く問題なしということで、購入を決定。 じっくり選んで、納得して、実感で膝打ち、腑に落ちました。

そして、次の週、3月4日に谷川岳リベンジで導入しましたが、大満足でした。 雪に足が埋まっても、冷えを全く感じないし、

足首が動かし易いので、登りと下り、どちらもストレスなく歩けます。 足首周りにゲイター風味のものが付いていて、始めは装着に手間取りましたが、

慣れればそれも問題なし。 とても快適で、今まで冬靴を履かずに登っていた自分に対して、逆に腹が立ってきた位には良い買い物が出来ました。

4月に入り、雪山シーズンは終わりですが、山は所によっては残雪期。 5月の連休もあることですし、あと1~2回位は出番がありそうですかね???

そして、来シーズンの雪山には万全の態勢で臨めるので、今から、とっても楽しみです。 夏山、秋の山を堪能して、雪山とか、フルシーズン楽しめる。最高かよ。

そのためにも、次の山に向けて、体力付けないとですね。 他にも天気を読み取る技術とか、読図の知識とか... まだまだ、足りていないことはたくさんなので、

ちょっとずつでも積み上げていきたいと思います。

以上、冬靴レポートでした。 長文になりましたが、最後までご覧頂き、ありがとうございます。

〆の一曲は、裏切らない裏切りで楽しませるこの曲。

登山においても、大丈夫って耳打ち、経験で裏打ち、実感で膝打ち、腑に落ちるようにしていきたいですね。

終わりなんてない、ゴールは有って無~い。

それでは、次の靴で。

また明日ヤッホーSTYLE。

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