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上州 谷川岳 雪山登山

2016/12/25(日) 谷川岳(たにがわだけ, 1977m)

天候:晴れ→曇り(ホワイトアウト)

メンバー:p855(単独)

 

新年、明けましておめでとうございます!!!

本年も練乳登山部を宜しくお願い申し上げます。

さて、去年のレポートになりますが…

2016年12月25日、谷川岳に登ってきました。

谷川岳登山は、2016年で3回目。

今回は、雪山デビューということでの挑戦でしたが...

肩の小屋、300m手前でホワイトアウトを食らい、

危険と判断したため、そのまま下山しました。

自分の職場から、榛名山〜谷川岳〜武尊山〜赤城山を一望できます。

12月になって、天気の良い晴れた日には、

どの山よりも真っ白になった谷川岳が、非常に神々しく見えるようになりました。

いてもたってもいられず、冬型の気圧配置が緩む日を狙い、

雪降り積もる谷川岳へ赴きました。

それでは、振り返ってみましょう。

■今回のまとめ

①スキーヤーも多数いるため、早めに到着して、チケットを確保した方が良い。

②アイゼンが必要になるのは、熊穴沢避難小屋手前の急斜面からではないかと感じた。

③前述の通り、急斜面があるので、12本爪アイゼン、ピッケルがあった方が良い。

④ピッケルは持つ手を小まめに変えないと、手がとても冷える。

⑤万太郎山に続く俎嵓に、雲が掛かって取れない時は、天候は悪くなる傾向。

⑥谷川岳の恐れるべきは、ホワイトアウト。そのまま尾根沿いに進んでしまうと、

 西黒尾根にぶつかって、控えめに言って死ぬことがある。らしい。

⑦谷川がガスったら、その日は天候が回復すると考えてはいけない。

■ルート&スケジュール

ルート(天神平→肩の小屋手前ザンゲ岩付近→天神平)

スケジュール

08:20 天神平スキー場立体駐車場

09:30 天神平スキー場

10:49 熊穴沢避難小屋

12:01 ザンゲ岩(ホワイトアウトのため下山を決定)

12:53 熊穴沢避難小屋

14:02 天神平スキー場

この日のロープウェイ始発は、8:30ということで、

7:00に高崎の自宅を出発。既にこの時点で、ミスを犯します。

8:00丁度には着くことができましたが…

ご覧の通り、チケット販売所は、スキー・スノボ客+登山客で大賑わい。

チケットを購入したのは、30分後くらい。

そして、購入後、ロープウェイに乗るまでに40分程。

限定モノのスニーカー買うのにも、ココまで並んだことがなかったので、焦りました。

次登るときは、7:00には到着しておきたい。

※尚、立体駐車場料金は、1000円でした。安...くはないですかね?

ロープウェイに乗ること、約15分。天神平スキー場に到着。

到着後、登山靴の締め直し、ゲイター装着、準備運動で整えます。

9:30、本日のSummit Pushスタート。

スキー場の右端側を登っていきます。登山する人が多いので、

踏み跡はしっかり付いています。ありがたく使わせて頂きます!

……辺りは文句なしの晴れなのですが、谷川岳の山頂は、雲に覆われています……

開始早々、中々の角度で登っていきます。

まだ雪が柔らかかったので、アイゼンはまだ必要ないと判断。

ストックを持って、そのまま、靴を雪に蹴り込んで登っていきます。

しばらく登って、振り返った時の天神平。

上から登ってきた道を撮る。

急な登り、というのを少しでも感じて頂ければと思います。

シュプールの美しい曲線。

新潟側から雲がせり上がって来るかのように、

谷川連峰を境に雲がせき止められています。

おかげで山頂は、雲の中。

周囲の視界はクリアなので、雲が取れることを願って先に進みます。

時折、風が吹くものの、樹林帯では風は強くないので、

ハードシェルは着ずにフリース+ベストの組み合わせで進みます。

雪は、片栗粉を踏みしめるような音をたてます。

まだまだ柔らかいので、ノーアイゼンで時折付いた雪を落としながら歩きます。

クリスマス登山、盛り上げていこう!を表現する自分の影。

時間が経っても、雲は全く取れる気配がありません。

さすが中央分水嶺。周りは晴れているのに、

山頂だけ雲の中という、谷川岳あるあるに見事当たってしまいました。

そして、熊穴沢避難小屋手前の急斜面。

よく、谷川岳冬期登山における、注意ポイントとして挙げられる場所です。

ここでアイゼン着用、ストックからピッケルに持ち替えました。

上の写真は、急斜面を通過後、振り向いて撮影。

先程同様、少しでも急斜面&高度感を感じて頂ければと。

ピッケルのブレードを掴んで、ピックを雪へ突き刺し、

アイゼンの前爪を、一つ一つ蹴り込みながら慎重に進みました。

ここは、前爪のあるアイゼン+ピッケル装備が良いと思います。

所々雪庇になりかけてる所や、

バックカントリースキーヤーがつけた跡がありますが、

そこへ紛れ込まないように注意して進みます。

10:49、熊穴沢避難小屋到着。

ここで10分程休憩。

水分補給、行動食(バータイプのチョコケーキと菓子パン)+ベストを脱いで、

ハードシェルを着ました。

冬は水分不足になりやすいと聞いていたので、

水分はこまめに摂ることを意識していました。

避難小屋を過ぎると、すぐに稜線歩きとなるので、ここでシェルを着て正解でした。

この時点で、一時、山頂の雲が取れました。

「あの光(ピッケル)の指す方向にラピュタ(山頂)があるのだ。」(CV.寺田農)

気合を入れ直し、山頂へ向かいます。

武尊〜尾瀬方面に雲がかかっている以外は、とてもいい天気です。

自分の進んできた道を振り返る。おおぉ、本当に雪山だ。天候に恵まれた雪山だ。

傾斜に体力を使いながらも、ペースは崩さず進んでいきます。

※今回もスローペースで歩いているので、道中、結構な人数に道を譲っています。

雲が取れた!…と思ったら、再び雲に覆われ始める山頂。

俎嵓方面にも雲がかかり始めました。

※俎嵓にかかっている雲が取れない時は、天候が崩れる予兆のようです(詠み人知らず)。

進む道はホワイトアウトしていないため、行けるところまで進みます。

枯れた木々に樹氷が形成される。

太陽に照らされて、キラキラと綺麗でした。

西側には、雪を称えた浅間山が見えます。その奥に、たぶん八ヶ岳。

あちらは雲のない快晴のようですね。

この日、八ヶ岳を登っていた人は、さぞかし絶景だったに違いない。

雪上の風紋。

普段の生活の中において、見ることのない自然現象を、雪山は見せてくれる。

と思う間にもどんどん雲が増えていきます。

南側はこんなにも晴れているのに。

赤城なんて、ド快晴じゃないですかやだー。

だだっ広い稜線をひたすらに、犀の角のようにただ独り歩みます。

踏み跡はしっかりついています。

時折、突風が横から殴りかかってきます。

咄嗟に耐風姿勢が取れず、ちょうど塹壕のようになった踏み跡の中に身を屈めて、

風をやり過ごします。

風が吹くと、本当に寒いです。目出帽から少し出ている地肌が凍るかと思いました。

サングラスの真後ろから、容赦なく雪と風が侵入するので、

ゴーグルに切り替えた方が良いと思いました。

12:01 ザンゲ岩到着。

エビの尻尾が出来始めている岩に、寄り添うようにして休憩。

寒さの影響かは分かりませんが、やけにパサついたカレーパンを食べながら、山頂を見ると...

がっつりホワイトアウトしています。両耳は白い闇の中。尾根も谷間も白く煙らせています。

進む登山者も多くいますが....

隣で休憩していた方が言うには、

「下山時、尾根伝いに進んじゃうと、西黒尾根に降りちゃうんだよね~。」と。

え、この視界+雪で西黒尾根降りろとか、(自分の登山レベルでは)死ねと言ってるようなモノ。

というか、運よくトマの耳に行けたとして、オキの耳に行く途中の雪庇を踏み抜いて、

一ノ倉沢方面に真っ逆さま。

控えめに言って、全身複雑骨折で即死。運よく意識はあっても、その後凍死、くらいは容易に想像出来ます。

.......はい。下山しましょう。下山に限ります。

肩の小屋2~300m手前ですが、命あっての物種。

頂上のあの素晴らしい展望も無い+危険となれば、登る必要があろうか?いや無い(反語)。

ヤバくなる前に戻る。リスク管理、とっても大事。

ということです(真の護身)。

これから下山します、のポーズを撮って頂きました。

図々しくも、ホワイトアウトで、山頂まで辿り着けなかった事を悔しがるポーズも 撮って頂きました。

撮影頂いた方、お食事中、自分の無茶ぶりを快諾して頂き、誠にありがとうございました。

さようなら、谷川岳。メリークリスマス、谷川岳。

次こそは、絶対登ってやるぜ!!!

自分が下山する途中も、途切れることなく列を成して、登山者は進んでいってました。

それでも、相変わらず、樹氷はキレイ。

スキーで滑走している方がいました。とても気持ちよさそう。

ウインタースポーツは、スケートしか経験がない+運動神経が悪い自分にとっては、

ただただ、感心するばかり。

相変わらず、雲が取れません。

天狗の留り場付近の、ドーム状の木が氷に包まれて、とても綺麗でした。

12:53 熊穴沢避難小屋に戻ってきました。

途中で戻ってきた事、ta1y部長とwkfk茨城支部長のお誘いで、10月頃からランニングも始めた事もあって、疲労困憊感は全くなし。

14:00には天神平に戻れると踏んで、15分程休憩。

大分山頂から離れてきました。

月の繭に包まれたように、白く白く雪を称えた山肌は、この時期だからこそ見れる美しさ。

春夏秋冬と、同じ山でも全く違う表情が楽しめる。だから、楽しいですよね。

樹林帯にまで戻ってきました。

雪から出た草木にアイゼンが絡まって、かなり歩きにくいです。

なので、この辺でアイゼンを外しました。

大体同じくらいのアングルで比較。下側の写真は、11月初旬の姿(超快晴でした)。

同じ山でも、こんなに違う!

そして、山頂にピンポイントで、雲が覆い被さっているのが見て取れるかと思います。

どなたかが書いた、日付。字が上手い...!!!

木々の背がどんどん高くなる。天神平まであと少し。

14:02 天神平ロープウェイ到着。

山頂には立つことができませんでした。が、敗北感は不思議と滲み出て来なく、無事に戻って来れて本当に良かったな、という安堵感で一杯でした。

ロープウェイに揺られること15分、麓のベースプラザまで戻ってきました。

ということで、いつものコーラを頂きます。

今回は、祝杯のコーラーではなく、クリスマスを祝うコーラ.....ッッ!!!

....と、自分に言い聞かせて、いつも通り、おいしく頂きました。

下山後は、温泉へ。

今回は、湯テルメ・谷川へ行きました。大人一人570円ナリ。安い。

湯船に浸かると、やはり冷えていたのでしょう、

手足にビリビリと、血が循環する感覚を味わうことになりました。

入浴後は、もちろん、コーヒー牛乳。

飲む前の写真を撮り忘れて、飲み終わった後、慌てて撮る位には美味しかったです。

温泉を出た駐車場にて、遠くなった谷川岳を望む。

結局、雲が取れることはありませんでした。

後日、ヤマレコ等で12月25日の谷川岳のレポートを探した所、

やっぱり、山頂は完全にホワイトアウト。更にはかなりの強風だったようです。

.....いや、マジで、本当に、あれ以上進まなくて良かったなと、帰宅後、モスバーガーでモスチキンをカッ食らいながら考えていました。

以上、谷川岳 雪山登山で途中下山のレポートでした。

登頂、とは相成りませんでしたが、冷静な判断が下せたのではないかと考えています。

下山だけに。

まぁ、まだまだ、雪山シーズンは続きますし、自宅から土合まで1時間の距離にあるので、

年を越して、2017年には必ずや、青空澄み渡る両耳の頂に立つ決意を胸に、

2016年〆の登山となりました。

最後までご覧頂き、ありがとうございます。

今日の〆の一曲は、尾根も谷間も白く煙らせる、音のない国へ誘う曲。

場所は、お隣、志賀高原。そして、ベースの音がクッソカッコいい。

セリカでスキー、バブルですね~。

個人的に、松任谷由実さんの曲で、一番好きな曲です。

こんな感じで、登山のコンセプトに合わせた曲を、今年もセレクトしていきます。

それでは、次の山で。

また明日ヤッホーSTYLE.

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