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北八ヶ岳 蓼科山(2,530m) 雪山登山

2017年/02/12(日) 蓼科山(たてしなやま, 2530m)

天候:八ヶ岳ブルー(晴れ)のち、若干曇り

メンバー:P855(単独)

 

2017年2月12日、八ヶ岳連峰は百名山が1つ、蓼科山に登ってきました。

この日、実は去年の谷川岳リベンジを考えていたのですが、

天気は西高東低 a.k.a.冬型の気圧配置傾向。

....となると、北アルプスは勿論、上信越の山は、登山者絶対ぶっ殺すマ(ウンテ)ンへ豹変しているのは明らか。

という訳で、冬型の気圧配置で晴れている山域&自分のレベルでも登れそうな山、と言う条件から、蓼科山に白羽の矢が立ちました。

予測通り、晴れ空の下、登頂と相成りましたが、

1つ天気の特性を見落としていて、山頂では結構な強風に晒されることになりました。

あと、コースのほとんどが樹林帯なので、滑落のような危険箇所はありませんが、

防寒、防風、汗濡れ対策していないと、山頂の強風でエライ目に会います。

そして、山頂手前の急登には、大分削られました。体力。

これで雪山初級編と言われているので、お隣の赤岳とかどんだけだよ...と思いました。

それでは、どんな感じだったか、振り返ってみましょう。

景色が綺麗すぎて、写真を多く撮って、長くなってしまいますが、

最後までお付き合い頂ければ、コレ、幸い。

■今回のまとめ

①晴れ空の下、諏訪湖、木曾駒ケ岳~甲斐駒ケ岳~八ヶ岳を一望できた。

②冬型の気圧配置で、山頂はとても風が強かった。

③山頂は、平らな空間が広がっているので、ホワイトアウトした場合は注意が必要。

④山頂手前の急登は辛いので、10本爪以上のアイゼンが必要ではないかと思った。

⑤上記のように、雪山ガイドブック等では初級編と書かれていることが多いが、ナメた装備だとヒドイ目に合うと思った。

■ルート&スケジュール

ビーナスラインを南下し、女の神展望台に車を停めて(地図上「○」印)、

女乃神茶屋登山口(地図上「☆」印)→蓼科山山頂→女乃神茶屋登山口

スケジュール

07:43 女の神展望台

07:50 女乃神茶屋登山口

11:05 蓼科山山頂

11:27 下山(途中30分程昼休憩)

13:32 女の神展望台

TTL時間:5時間49分(内、登り:3時間13分、下り:2時間、休憩+写真:36分)

活動距離(往復):7.4km、高低差:948m

朝4 時に起きて、朝食と着替えを済ませて、5時に高崎の自宅を出発。

7時10分位に女乃神茶屋登山口に到着したのですが...

ご覧の通りの盛況ぶりで、駐車場は一杯になっていました。

近くにの人に聞いてみると、車で3分下った所に展望台の駐車スペースがあるということを教えて頂き、そこへ向かうことにしました。

黒斑山の投稿で言っていたことがブレてしまいますが、

2駆+スタッドレスで来ています。フカフカ新雪で無かったため、

スタックはしませんでしたが、急ブレーキ&急ハンドル厳禁+法定速度ちょい遅めで

何とか、って感じでした。マジで四駆が欲しくなりました。

車で下ると、それっぽいとこが出てくるので、そこに車を停めて準備します。

女の神展望台(めのかみてんぼうだい)と言うだけあり、良い眺めでした。快晴ですぜ。

...ですが、正面の甲斐駒ケ岳山頂は、雲がかかってました。

※写真撮っていた時、「うわー、木曽駒、雲じゃん。」と独り言を言っていたら、

「正面のは、甲斐駒。木曽駒はあっちだよ。」と、他の登山者から修正が入りました。

すみません。ありがとうございます。まだまだ、修行が足らない様です...精進します!

こちらが右側の木曽駒ケ岳方面。...結局、雲、どっちもかかっていますねぇ。

一度下った道路を再度登って、登山口に向かいます。

意外と車が通るので、注意が必要です。

10分程歩いて、女乃神茶屋登山口に到着。標識とバス停のセットで分かりやすい。

ここから、本日のSummit Pushスタートです。

ちなみに、登山口近くにトイレも設置されていました。が、今回は利用せず。

登り始めは、緩やかな傾斜の樹林帯を進みます。

今回使用したザックは、個性的なスリーピングマットに定評のある、

KLYMITMOTION60。背面がメッシュなので、雪山専用、ではないですが、

縦長デザイン+60Lザックのくせに軽くてシンプルな造りなので、

何かと荷物の体積が増えがちな雪山において、活躍するのでは、と思い導入しています。

ちなみに、外付けギアが剝き出しにならないように、mont-bellのギアホルダーで改造しています。

ザックから取り出すのが面倒なので、ついつい外付けしちゃいますが、

歩いている時、木によく引っ掛けてしまうので、なるべく出っ張らないようにしています。

蓼科山は、標高2400m越えてからようやく森林限界となるので、

ほとんどが樹林帯歩きとなります。

冬場の樹林帯は、葉が落ちて、景色が見れるので好きです。

太陽と木々が作り出す木漏れ日に、雪が反射して、とても綺麗でした。

去年登った磐梯山を彷彿とさせる、背の高い木がほとんどなので、開放感があります。

道中、ピンクテープが付いているので、見落とさないよう、変な所に入り込まないように注意して進みます。

そうこうしている内に、登りが急になってきます。

蓼科山の登りは、基本、急。これ重要です。

がっつり標高を上げる分、視界が開けるのも早いです。

先程修正を受けた、木曽駒ケ岳、中央アルプス方面が見えてきます。

ズームしてみると...やっぱり雲がかかってますね。

打って変わって、こちらは快晴。青空一杯。これが八ヶ岳ブルーというやつか。

冬型の気圧配置になった時、北アルプスこと飛騨山脈や、火打山のある頸城山脈、谷川岳の様な上信越の山々が雲をせき止めてくれるおかげで、八ヶ岳は晴れる場合が多いそうです。

気圧配置1つで、地域の天候が左右されるのって面白いですよね。

まぁ、この後、冬型の気圧配置の洗礼(強風)を受けるのですが。

写真を撮っている場所は、こんな↑感じの急登になっています。

撮影が丁度いい休憩になりながら進みます。

甲斐駒ケ岳、南アルプスも相変わらずの雲。

南東側には、八ヶ岳も見えてきました。

左から、赤岳~阿弥陀岳~権現岳~編笠山かな???

急登を登りきると、平坦な道になります。この辺でしばし休憩。

この辺で、テントを二張り見かけました。ご来光とか見るのでしょうか?

テント泊は、時間を自由に使えて、自分だけの空間もあって、

フレキシブルに動けるので、大好きです。また、夏~秋口にやりたいですね。

さすがに今は、この厳冬期に突っ込む勇気はないですが、

将来的には挑戦したいです。厳冬期テント泊。

雪の覆い被さった木々の間を進むと...

本日の山頂、蓼科山が見えてきました。

平坦な道をしばらく進んで、幸徳平の標識を過ぎると、再び急登が始まります。

ここから先は、山頂までずっと急登です。

アイゼンは、10本爪(mont-bell製の前歯が出ないタイプ)を使用しています。

チェーンスパイクよりかは重いですが、グリップが効いて、登りやすかったです。

大分標高を上げてきたので、茅野市街も一望できます。多分...諏訪湖も近くにあるはず。

八ヶ岳方面は...って、さっきより雲が出てきました。 こっちも雲が覆いかぶさるのではと、この時ちょっと焦っていました。

...と急ごうにも、この急斜面。 慌てず、ペース崩さずをモットーに進みます。

枯れた木々にエビに尻尾が出来かけていて、とても幻想的でした。

枯れている木は、縞枯れ現象(しまがれげんしょう)と言うそうです(Via.Wikipedia)。 ...何やら、発生原因がまだよく分かっていないみたいです。

つまりは、スゲーな、自然ということですね(小学生レベルのコメント)。

雲の流れが速く、雲がかかったり、太陽が出たり、せわしなく空が変わっていきます。 ....山頂の風、強いんじゃない?と言う不安は、この後、現実になっていきます。

八ヶ岳に、雲がかかってしまいました。急がなくては!

標高2400m辺りで、森林限界に突入。か、風が強い...

樹林帯を抜けると、一気に風が強くなります。 ここで、ザックを下して、ハードシェルを着込んで、防寒・防風対策を再確認。

スノーモンスター風味の木。

八ヶ岳の手前側に、北横岳も見えてきました。 ロープウェイでアクセス出来て、登山時間も短いみたいなので、

練乳登山部で登りたいところ。

カメラのレンズに水滴が付いちゃってますが... 木々がなくなり、茅野市を一望、中央~南アルプス、 さらに八ヶ岳を拝める大展望が飛び込んできます。

岩や、標識にエビの尻尾がこびり付き始めていました。

西側にムーブアイすると、霧ヶ峰が見えます。

...これが本物の霧ヶ峰...!!! Changes for the Better、とエールを送っていくSTYLE。

雪と空と雲しかない空間を、蓼科の頂に立つために、犀の角のようにただ独り歩みます。

北横岳と八ヶ岳連峰。あまりこっち側に来たことが無かったのですが、

群馬の冬山は、山頂真っ白、みたいな山が多いですが、

この辺は、樹林帯が多くて、木と雪が混ざった感じだなと思いました(小学生レベル)。

こっち側は、瑞牆山~甲武信ヶ岳方面..だと思います。

雪と雲と八ヶ岳ブルー 。

スノーシューで、トレースの付いてない斜面を登っている方々。

あー、絶対楽しいヤツですね。コレ。 こういうの見てしまうと、スノーシュー欲しくなるので困る。

この斜面を直登して、山頂です。

11:05 蓼科山山頂に到着。

だだっ広い山頂!の上に岩(STONE)がゴロゴロで冷たい(COLD)雪が積もってます。

そして山頂は、さっきよりシャレにならない(CRAZY)位風が強かったです。

ゴーグル、バラクラバで顔が隠れているのを良いことに、 他の登山者の方に、自分を入れた記念撮影を撮って頂きました。ミラーレス一眼で..... 本当にマジで、風が強かったので、完全武装していないとキツい気がします。

ピッケルを上げて、喜びを表現するわたくし.....

調子に乗って、Brian Mayバリのギターパフォーマンスを興じるわたくし... 奇しくも、服装が、「レッド・スペシャル」…

八ヶ岳をバックに。ちなみにわたくし、楽器の類はからっきしです。 ...って、全編に渡って指入ってますね。何かの前衛芸術の手法かなとも思えますが... 第一、ミラーレスのズームレンズに、どうやったら指がかかるのか、小一時間...

山頂には、蓼科神社の奥社があります。 天気が良かったこと、無事に登れたことを二礼二拍一礼に乗せて、 感謝の意を示しました。

凍てつく風が吹き荒れる山頂には、なんとも綺麗な空間が広がっていました。

この写真だけ見ると、山の上とは分からないような広ーい雪原が、 雲と同じ高さに広がっています。 でも、ここ、ホワイトアウトしたら、絶対迷うよな... 雪山、ホワイトアウト...う、頭が...!!!

奥社の向こう側にも何かあるようなので、行ってみることにします。

雪がこびり付いた方位盤がありました。 その向こう側に、霧ヶ峰と、美ヶ原。

こちらは、前回登った、黒斑山、浅間山方面。

北アルプスは、西高東低で押し寄せてくる雲をせき止め、その姿は雲の中。 この日は、北側から雲がゆっくりと迫って天気が下り坂な感じでした。

この日、蓼科の周りは、ほとんど雲に覆われて、蓼科だけ晴れている感じでした。

雲がかかっても、八ヶ岳は、カッコいい。 群馬県民なので、群馬周辺の山々がイチオシであることには変わりないですが、 登山者があこがれる説得力があるカッコよさ。 まだ登ったことないので、登ってみたいですね。夏でも、冬でも。 やっぱり、こうして遠征すると、 登ったことのない、見たこともないような山々がたくさんあって、 さらに向こう側へ行ってみたくなります。プラスウルトラってやつです。

ともあれまずは、無事に山頂に立てたことに感謝して、 雪山レベルも少しずつ上げていきたいな、のポーズ。

そんでもって..恒例?の行きます。

せーのっ!

今回も、JUMPMANをメイクしました。

...が、足が伸びてないですね。 服の色的に、某任天堂から怒られそうなキャラ感が出てしまっています。

撮るモノも撮ったことですし、下山します。 てゆーか、本当に風強くて、寒かったです。 絶対、雪山初級者向けではないと思いました。蓼科山。

それでも、その向こう側には、 こんなにも素晴らしい、天空の雪原が広がっているわけで。 このトリップを味わうために登っているといっても過言ではありません。 そのためには、色々考えて登らないとな、思う今日この頃。

最高の景気をありがとう、蓼科山。また来るよ、蓼科山。

そう言って、山頂を後にします。

北横岳側には、スノーモンスターがいっぱい生息してしました。

粛々と下山..という訳には行かず、 下る時もいちいち景色が良いので、ついカメラを構えてしまいます。 おかげで、記事が長くなってしまうのがネックなのですが...

岩には、雪が打ち付けられ、エビの尻尾が形成されています。 いかに風が強い、雪が凄いかがわかります。

ちょうど、風が弱くて、休憩できそうな岩があったので、 そこに座って、昼休憩を取ることにしました。

その休憩ポイントからは、こんな↑感じで、 北横岳と八ヶ岳を一気に眺めることが出来ます。

ソロなんで、シンプルに、定番のカレーメシとコーヒー(Blendy Stick)。 山専とJETBOILでソッコーでお湯を沸かすという、一種のアルパインスタイル?です。

八ヶ岳を見ながらの休憩は、最高のランチタイム。

...ですが、まぁ、でも雪山、特に森林限界での長居は避けた方が良さそうです。 何故って、守ってくれる木が無いから。長居するなら、樹林帯で、ですね。

風が弱いとはいえ、やっぱり寒い... 前回の黒斑山は、頂上にも木があって、本当に良かった...

カレーをかき込み、コーヒーをグイッと飲んだら、すぐに片づけて、再び下山を開始します。

下りは、時折、シリセードを交えながら一気に下ります。

一応、周りに他の登山者がいないのを確認しながら下ります。衝突とか笑えないので。

一気に背の高い樹林帯まで下ってきました。

ということで、13時過ぎ位に女乃神茶屋登山口に戻ってきました。 ケガ無く、無事に戻って来れてホントに良かった。

誰もいなかったので、バス停を利用して、 意識高い系のポーズを収めておきました。 最高の景色が見れて、楽しかった!!!

13:32に女の神展望台に戻ってきました。 来た時より、車が多くなってました。 下山したら、あとは早くも温泉に行く姿勢に切り替わっています。 ゲイター外して、登山靴脱いで、靴下履き替えたら、即刻、温泉に向かいます。

ということで、白樺湖畔にある、すずらんの湯に向かいました。 大人一人、700円ナリ。まぁまぁ。 温泉は、大浴場あり、サウナあり、白樺湖を一望できる露天風呂ありと、 個人的には、今までの下山後温泉の中で、トップクラスの内容でした。

風呂上りには、コーヒー牛乳も完備されていました。完璧じゃないか...

外に出たら、霧ヶ峰が真っ白で、とても綺麗でした。

そして、登山バッチを買うために、温泉の隣にあるお土産屋さんに向かいます。 ここら辺は、スキーリゾートなんで、お土産屋さん系は充実しているようです。

このお店に、売ってるかな...

....売ってるみたいですね。 山と言う字にこだわりを感じる手書き感。

無事にバッジも買えたので、大満足の山旅を締めくくることが出来ました!!!

そうそう、帰路の道中、蓼科の頂を見ることが出来ました。 百名山たりえる、堂々とした均整のある山容でした。

以上、蓼科山 雪山登山でした!今回も最後まで見て頂き、ありがとうございます。

蓼科山は、確かに、滑落するような危険個所はあまりないため、

いろんなガイドブックの中には、雪山初級編として挙げられるのではないかと思います。

但し、強風に晒されて、凍傷リスクも考えると、森林限界を超えた所、

特に山頂は、強風になるので、十分危険個所になるのではないかと考えました。

ホワイトアウトで視界が不明瞭になったら、さらに危ないですしね!

初級編といっても、防寒、防風対策、

加えて、濡れ対策を十分にしておいた方が良いですね(あたり前田のクラッカー)。

急登で汗かいて、そのまま、岩ゴロゴロの森林限界の強風に突っ込むなんて...

考えただけでも、やばいです。

安全に登れるように、装備の組み合わせもしっかり考えていきたいなと思います。

ということで、〆の一曲は、コレ!

蓼科山山頂の、岩(STONE)がゴロゴロで、冷たい(COLD)風がアホ(CRAZY)みたいに吹きつける...というイメージ。

やっぱり、この時期のQUEENは、最高です。

それでは、次の山で。

また明日ヤッホーSTYLE。

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