top of page

燧ケ岳(2,356m) テント泊

2016/08/15(月)~16(火) 燧ケ岳(2,356m)

天候

8/15:濃霧、雨、強風

8/16:晴れ

メンバー:p855

 

8/15~16にかけて、尾瀬は東北以北最高峰、燧ケ岳へ登ってきました。

今回は、テントを担いで1泊2日の旅、初のテント泊登山です。

目的は、テントデビューを、東北以北最高峰、

尾瀬を代表する燧ケ岳において、達成したという実績を得る、です。

なので、尾瀬の豊かな自然を、十分に満喫する登山ではありません。あしからず。

ともあれ、振り返ってみましょう。

■今回のまとめ

①テント泊装備(約11kg)を担いで登るのは、結構キツい。

②夏といえど、天候が崩れた場合、山頂付近はとても寒いし、ルートを見失う可能性がある。

③雨天時、テント内はかなり結露するし、衣服は乾かない。

④登った日は濃霧、次の日は晴れという自然の移り変わりに翻弄された。

■ルート&スケジュール

1日目

8:45 大清水(シャトルバス利用)

9:13 一ノ瀬

10:55 尾瀬沼ヒュッテ

13:15 テント設営後、出発(長英新道)

15:20 俎嵓(まないたぐら)

15:38 柴安嵓(しばやすぐら)

17:34 尾瀬沼ヒュッテ

2日目

6:00 撤収開始

6:50 尾瀬沼ヒュッテ出発

8:15 一ノ瀬(シャトルバス利用)

8:45 大清水

■1日目

7:00に高崎の自宅を出発し、前橋IC~沼田ICを降りて、8:45に大清水駐車場に到着。

マイカー規制のため、ここからシャトルバスもしくは、歩いてスタート口の一ノ瀬へ向かいます。

※駐車料金は、日帰り:500円、一泊:1000円、トイレはここからチップ制(100円程度)になります。)

今回初のテント泊登山ということで、一ノ瀬までシャトルバスを利用しました。

出来る限りの体力温存作戦です。バスは、30分おきに出ていました。

※バス料金は、片道:700円

何も展望もない一ノ瀬~三平峠を歩くこと、約1時間、尾瀬沼山荘が見えてきます。

く、雲行きが.....

怪しいですね....

狙いすましたかのように、燧ケ岳の山頂”だけ”雲に覆われています。

ここら辺から、不安がたち込め始めます。

よく整備された木道を歩いていくと、この標識が出てきます。

これが見えれば、今回テントを張る、尾瀬沼ヒュッテはもう少し。

10:55 尾瀬沼ヒュッテ到着。

テント設営受付は、13:00からなので、その間、休憩,昼食&荷物整理をします。

※テント設営は、一泊800円。事前予約が必要なので、利用の際はお忘れなきよう。

あまりの暑さに我慢できず、ヒュッテの自販機でコーラを買ってしましました。350円ナリ。

登山の時のコーラって美味しいですよね。

ボトルのコメント、"世界で一番のやりきった感"....

......まだやりきってないし、本当の闘いはこれからです!!!

13:00になったら、受付を済ませてテント場へ。

尾瀬沼ヒュッテのテント場は、区画ごとに木の板で分けられています。

ペグは打てないので、石を使ってテントを固定します。

サクッと設営。

テントは、ARAI TENTの”ONI DOME1”

軽くて、設営もあっという間。さすが、Made in JAPAN。

設営したら、即刻寝袋を取り出します。ロフト(ダウンのふわふわさ)を早めに回復させるためです。

寝袋は、NANGAのUDD BAG 380DX、

マットは、KLYMITのINERTIA OZONE です。

ここら辺の装備は、何個も持つ、とはいかなそうなので、

初めからちょっと頑張って、なるべく良いモノを買うようにしてみました。

天気予報は、"この時点では"明日の天気も優れないとの事だったので、

頂上目指して出発します。

トレラン用のザックを使い、水、行動食、上着、防水グローブ、ヘッドライトを入れ、

極力荷物を軽くして早めに登頂、早めに下山を目指します。

※上着は、ソフトシェルとウインドシェルの2枚持っていきました。これが後に正解となります。

 結構な雨と風だったので、どちらか1枚だけでは厳しかった...

長閑な尾瀬の湿原を横切り、長英新道の登山口まで向かいます。

....雲が、増えている......だと....!!!?

13:20頃、分岐点が見えてきます。

ここを右に入って、長英新道登山口、登攀開始です。

登り始めは、鬱蒼と茂る木々の間を緩やかに進んでいきます。

地図上の等高線間隔から見て取れるように、

最初は本当に登っているのか?と思うくらいの緩い登りが続きます。

少しでもタイムを巻くために、ここら辺はほとんど小走りで抜けていきます。

5合目を過ぎた辺りから、登りが急になり、岩をよじ登るような道になっていきます。

それを見定めたかの様に、雨が降り始め、辺りは霧に包まれます....

........天は中々、味方してくれません。

7合目付近からは、木の階段が続きます。

これを....抜ければ.... ミノブチ岳.....ッッ!!!!!!!

ここら辺では、まるで呪文を唱えるかの如く、「晴れろ、晴れろ」と連呼していました。

そして、登りきると.....

正に五里霧中。

ただ目の前には、薄灰色の霧が立ち込めるのみ。

天が我を滅ぼそうとしているのか....とか項羽の気持ちに浸ります。そんなヒマ無いのですが。

目まぐるしい勢いで、雲は流れ、雨は容赦なく降り、

風はこの身を吹き飛ばさんか如く、稜線上に吹き荒れます。

なにこれ、ピンクフロイドのタイトルかよ、とか、霧・雨・風のジェットストリームアタックかよ、と声を出します。

周りに登山者がいれば、十分変な人ですが、誰もいません。なに叫んだって自由。

ともあれ、茂みに隠れるようにしゃがんで休憩。

ソフトシェルとウインドシェルを着込み、防水グローブを着けます。

上着2枚着ると大分違います。持ってきてよかった。

着込んで、行動食食べたら、再スタートです。

頂上付近は、ゴツゴツした岩稜帯を登ります。

雨で岩が濡れ始めているので、急ぎつつも慎重に登ります。

滑落...することはなさそうですが、転ぶと間違いなく痛いじゃ済まないと思うので、

集中して登っていきます。

15:20 俎嵓登頂。

.....頂上は、さらに厳しい風が吹き荒れていました。寒いです。

正直、まっすぐ立ってられなかった...

写真を取って、すぐに柴安嵓へ向かおうとすると...

濃霧で、柴安嵓の方向を見失ってしまいました。

スマホ起動させて、地図見ながら方向を探していると、

福島県側のルートである、御池口の方から、

一人の登山者が(写真上、オレンジのレインウエアを着てる方)。

挨拶して、談笑後、御池があっちで、こっちから登ってきたから.....と冷静に道を探します。

ルートを少し見失ってしまいましたが、

15:38 柴安嵓登頂。

立派な標識が建っていました。

.......登頂達成したのに、なんだろう、このえも言えぬ敗北感は....

やっぱり、景色が見えないとダメですね....

ご覧の通り、景色は霧の中なので、さっさと下山開始します。

さっき、ルートを見失ったとありますが、

下山時にようやく方向性がわかりました。

左上の”ハラ"は、柴安嵓方向、右上の"ミイケ"は、御池ルート方向、

下の”ヌマ”は、自分の通ってきた長英新道に続いています。

晴れていれば、すぐに進めると思うのですが、霧の中はコワイですね...

下山始めてから、雨が止み始めたので、滑り降りるように下って、17:29には長英新道の分岐に戻ってきました。

登り:2時間18分、下り:1時間51分。

通常コースタイム、登り:3時間40分、下り:2時間50分に対し、1時間ちょっと巻いた結果になりました。

要因は、荷物を軽くして、負荷を減らしたこと、登山中に写真を撮らなかったこと、

山頂で悦に浸らなかったことだと思います。

テント場に戻る途中。雨の尾瀬沼。

山なんて見えないくらい、霧に包まれています。

テントについたら、登攀のリカバリーをすべく、すぐに夕飯の準備。

ラーメンゆでて、体を温めます。

18:00頃にはすっかり暗くなります。空を見上げても、雲が掛かって星も見えず...

19:00には、またパラパラと雨が降ってきました。

おかげで、雨と汗で濡れたウエア(特にズボン)を乾かせず....

雨の日は、テントの前室だけでは、スペースが十分ではないので、タープとかが欲しいと思いました。

ツェルトとかでも代用できそうですね。

ともあれ、明日は早朝に下山なので、テントの中で荷物整理をして、

すぐに撤収出来るように準備を進めます。

雨もだんだん強まって、テント内が結露し始めます。

着替えてはいるものの、生乾きのウエアに、結露したテント...

居住環境としては、快適とはいきませんでした。

それでも、疲れていたのか、20:00には眠くなって、電気を消して、就寝。

寝袋は、熱くもなく、寒くもなく、ロフトも濡れずに快適でした。

さすがNANGAだ。なんともないぜ。

 

■2日目

4:00に起床。

テントの外を見てみると、雨は上がってました。

対して、テント内部は大分結露していました。持ってきたタオルで水気を切ります。

テントの外に出て、朝食の準備をしていると、

隣でテントを張っている人たちから、「晴れてるね~」と聞こえます。

まさか、と思い、尾瀬沼を挟み、燧ケ岳の方角に目をやると.......

”晴れて”いる........だと............!!!!?

今日一番、敗北感に苛まれた瞬間です。

自分が健脚なら、もう一回登ってやらないことはないのですが....

そんな体力は残っていません。

大丈夫、また来る理由が出来たじゃない、とか、

どうせ、今登っても、雨で道がぬかるんで、最悪だよ?登らないほうがいいよ、

....と自分に言い聞かせ、6:50 下山開始です。

道中、雄大な燧ケ岳の全容を拝めました。

おおぉ~と立ち止まって、写真撮影。

次は絶対、頂上から尾瀬沼を見るんだ.....尾瀬の自然を楽しむんだ....と心に誓った次第。

だらだらと来た道を下って、8:15 一ノ瀬に到着。

結構疲弊していたので、無理をせず、8:30発のシャトルバスに乗って、大清水駐車場に戻ってきました。

到着してすぐに、濡れたテントと寝袋を少しでも乾かそうと考えて、

ザックから取り出して、水気を切った後、車の後部座席、トランクに広げます。

※正しいかはわかりませんが、とにかく、水気を切ろうとやってみました。方法として間違っているかもしれません。

下山後は、温泉ということで、帰路途中にある、ほっこりの湯へ。

10:00 開店で、大人550円ナリ。安い。

直角三角形(5:4:3比)状の浴槽一つで、コンパクトな感じでしたが、登山の疲れを癒してくれました。

アイスクリームを頂いて(180円,美味しかった)、家路につきます。

帰宅後、すぐにテントを広げて@駐車場、

中の埃と湿気を追い出します。

社宅なので、周りは知った間柄。

事情を話せば、理解していただけるので、ある程度、こんな感じでフリーダムにやれます。

以上、燧ケ岳テント泊でした。

燧ケ岳登頂の際は、荷物を軽くしたとはいえ、コースタイムを巻く形で、登れたことは自信になりましたが、

テント装備を担いでの登りは、中々にしんどかったので、

”重いものを担いでいるときの”体力が必要だなと感じました。

雨天時のテントは、着替えとかの管理をしないと大変ということもわかりました。

生乾きの登山用ズボンを、次の日、”穿きなおさないといけないとき”はキツカッタ...

場所が確保できればですが、入り口スペースを広くとるようなタープが欲しいと思いました。

いろいろなアクシデントもありましたが、プラスに考えると、良い経験になったのではないかと思います。

死んだら何にもなりません。安全は何よりも優先するべき事項ですが、

不測の事態に備えるためには、良い経験でした。

まだ、燧ケ岳からの景色を見ていませんし、

尾瀬の全貌すら体験していません。

次来るときは、必ずや、楽しみたいと思います。

至仏山にも登らなくては!!!

そのためにも、自分のレベルアップの必要性を感じた夏休みでした。

bottom of page