巻機山(1,967m) 日帰り
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- 2016年9月11日
- 読了時間: 11分
2016/09/10(土) 巻機山(まきはたやま, 1,967m)
天候
麓:晴れ、途中:霧、山頂:晴れ、下山時:霧
メンバー
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9/10に、上越国境は越後三山が一つ、巻機山へ登ってきました。
※2016.09.18. 越後三山に、巻機山は含まれません。正しくは、
越後駒ケ岳、中ノ岳、八海山です。訂正致します。
登山の前に、天気の話。
夏休み(お盆)が明けてから、こうも天気予報とにらめっこしたことはないかと思います。
平日はドピーカンの晴れだったのにも関わらず、週末「だけ」雨が降ったり、
月曜に週間天気を見たら土日は晴れ→水曜に見たら曇りに変化→金曜みたら結局雨だったり、
度重なる台風で、全く読めなかったり...
そんなこんなで、9月の第2土曜日。
台風13号(だったかな)が通り過ぎて、土曜は晴れ、日曜は崩れて雨。
チャンスです。
いざ給へ、巻機山拝みに!!!
はい。今回は、巻機山(まきはたやま)です。
この巻機山、百名山なのですが、
マイナーなのかあまり話題に挙がらない様な気がします。
しかし、この山は、「素晴らしい稜線歩き」が出来るということで、
コアな人気があるそうです。
個人的にも、稜線を歩いたり、眺めたり、写真を撮ったりするのが大好きで、
登山の醍醐味と考えているので、気になっていたのです。
ということで、どんな感じだったのか、振り返ってみましょう。
少し長めの一人旅。最後までお付き合い頂ければ、コレ幸い。
■今回のまとめ
①巻機山登山のハイライトは、間違いなくニセ巻機から眺める巻機山の山頂と、
そこから山頂に至るまでの景色。
②「巻機山山頂」と立札がある場所は、山頂ではない。
③避難小屋でトイレに入ると、自転車を漕ぐイベントが発生する。
④土の粘土質が強いのか、雨上がりの森林限界に入るまでの登山道は、
とてもぬかるんでいた。
■ルート&スケジュール
ルート:桜坂駐車場→井戸尾根ルート→ニセ巻機(前巻機)山→山頂
スケジュール※目安
8;30 桜坂駐車場
10:40 七合目(森林限界突入)
11:45 巻機山避難小屋
12:05 「巻機山山頂」と立札がある場所(昼休憩20分)
12:40 真の山頂
13:00 下山開始
14:02 七合目
15:36 桜坂駐車場
TTL:7時間6分(登り:4時間10分、下り:2時間36分、休憩:20分)

6:30に高崎の自宅を出発し、塩沢石打ICを降りて、国道291号線を走ること2時間ちょっと、
8:15に桜坂駐車場に到着。
行先は、Google MAPで「巻機山登山口駐車場」と検索すれば出てくるかと思います。
※駐車料金は、500円です。半日300円とかの立札がありましたが、違うようです。500円です。
ここで登山届とトイレを済ませて出発です。

登山口に、登山者をほっこりさせる看板あり。
しかし、その反対側には....

登山者を不安にさせる看板がズラリ。
でも、おっしゃる通りです。
尚、今回登る井戸尾根ルート以外にも、ヌクビ沢、天狗尾根というコースがあるそうですが、
どちらも危険&沢登りやクライミング技術が求められる上級コースだそうです。
「巻機山 ヌクビ沢」や「巻機山 天狗尾根」とかで検索したら、幸せになれる。

というわけで、何も迷いなく、右の井戸尾根コースからSummit PUSH スタートです。

巻機山登山の足元。
いつもは、mont-bellのツォロミーブーツを履いていますが、
今回は、salomonのトレランシューズ XA PRO 3Dを履いてみました。
重い荷物を背負っているわけではないので、
普段履いているツォロミーから、ソールが柔らかくなった時、
ローカットになった時、どのような違いがあるのか???
実登山における性能検証をしてみたいと思います。

3合目から4合目までは、緩い登りが続きます。
最近の登山は、急な登りを多く体験していたので、
比較的、疲れず登れました。

五合目からは、登りが急になって、
さらに 前日の雨の影響からか、地面が非常にぬかるんでいました。
粘土質が強い土なのでしょうか? 踏み込むとズブズブと沈む箇所もありました。
靴がローカット+ソールが柔らかいので、スリップして転びそうになります...
ペースは上げずに、足元に集中して進みます。


樹林帯を抜けて、七合目から森林限界に入ります。
楽しみな森林限界登りのはずが....ガスってますね...
こんな体験を最近した気がします....

前回の燧ケ岳のように、またしても山頂が雲に覆われています。

山頂の反対に目をやると、雲が低く、ちょうど、青空と山に挟まれています。
天狗岩、ヌクビ沢方面ですね。
でも、前回みたいな雨・風ではないので、
何とかなるだろうと自分に言い聞かせ、登っていきます。晴れてほしい。

オオカメノキ。
夏に赤い実をつけて、秋には黒色に熟すそうです。
黒い実もいるので、秋に移り変わっていくのでしょう。
小さい秋、見つけた!!!

所々、ぬかるんでいる場所があるので、靴もいい感じに泥だらけ。

どんどん登って、山頂を覆う雲の中へ。
八合目からは木の階段が出てきます。
森林限界を越えた、巻機山の登りは、土と岩とが混ざった登山道。
多く山を登っていないので、例えが限定的になってしまいますが、
地元である丹沢の、塔ノ岳~花立山荘辺りの雰囲気に似ているなと感じました。

植生復元中のようですが、立ち入りを禁止するようなロープは張られていません。
うっかり、復元中の個所に踏み込まないように、注意して進みます。

八合目の後半は、ニセ巻機山まで、ほぼ平地&少し下ります。
上の写真奥、人影がある所がニセ巻機なのですが......
そうとしか思えないような、霧が辺りに立ち込めています。
正直、心が折れかかっていました。

それでも、九合目、ニセ巻機山こと、前巻機山到着。
ニセってなんだよ。にせガンダムかよ。
山頂までは、あと少し。
今回も、サクッと登って、そそくさ帰ろう作戦にしようと考えていました。この段階では。
晴れて、雲がなければ、ニセ巻機から山頂が見えるそうです。

ニセ巻機から、山頂方面。
んん..?
雲が速く動いていきます。
下の渓谷側から、どんどん雲が引き上げています。

もう少し......もう少し.....ッッ!!!

キター!!!!
今までの霧が、嘘のように、文字通り霧散していきます。
そして姿を現した、巻機山。
俺はこの時を....!!!

トビア君も納得の 、勝利宣言です。



三枚の写真、上から、牛ヶ岳~巻機山山頂~割引岳(ワレメキダケ)方面。
谷川岳の様な、荒々しい山容とは打って変わり、
巻機山の山容は、穏やかで雄大な、そして堂々たる姿でした。
山肌は、新緑生い茂る夏色から、黄金の秋を迎えるべく、着実な変革を遂げていく。
この眺め、本当に素晴らしかったです。最高かよ。

こちら側は雲が取れて晴れていますが、
割引岳方面は、 相変わらず雲の中。
巻機山域を境に天候が違うんでしょうね。
さすが、中央分水嶺。
日本海側の気候と太平洋側の気候を分けるだけあります。

木道とテクテクと歩くと、巻機山避難小屋が見えてきます。すごく立派。
いかにもな上級者の方々がたくさんいました。
クライミングで使うようなハーネスを着けている人も。
ヌクビ沢、天狗尾根から来たんですかね? すげぇ。
ここではトイレを利用できるのですが、
まだ大丈夫そうだったので、そのまま通過して山頂を目指します。

最高に、これでもかって位に晴れています。
このために登っていると言っても過言ではない..........
そう言える景色が広がっていました。


池塘が点在しています。
尾瀬っぽいです。
何度も言いますが、雰囲気最高です。


さっき通った、避難小屋、ニセ巻機方面。
この稜線の眺めである。
自分が歩いてきた道、成果を実感。
「素晴らしい稜線歩き」の看板に偽りなし。
雲と同じ高さに晴れ間が見えて、なんとも良い景色です。

ここを越えれば山頂。
もうあとは、約束された勝利への道を進むのみ。
ウイニングロードまっしぐらです。

12:05 巻機山山頂到着。
ここが、山頂.....ではありません。
地図で確認すると、
ここから右側の牛ヶ岳方面へ、10分程進んだ所に真の山頂があるようです。
紛らわしい。
ひとまず、急いでもしょうがないし、ベンチもあるので、
ここでお昼を食べてから山頂を目指すことにします。

立札前で、本日の登頂ポーズ。
団体さんがいたので、その人たちにお願いして撮ってもらいました。
この時は、完全にハイになっていたので、瞬時にポーズを取ってしまいましたが、
落ち着いて見直すと、何も脈絡のない姿勢です。巻機要素何もない。

気を取り直して、お昼。
本日のゴハンは、カレーメシ。 個人的に、ここ最近、最も完成されたインスタント系山メシではないかと考えています。
ソロ登山+料理を頑張らない系登山において、
味よし(カレーだから)、カロリー高め、すぐできる、軽い(アルファ米だから)、コスパ最強ではないかと。
容器はちょっと邪魔なので、自分は、ジップロックに移して持っていってます。
※カレーメシ、激安スーパーとかで買うと、約190円で買えます。安い。360円とかのアルファ米買わなくていい。
ここら辺の完成度は、さすが日清食品さん、ガーサスです。
※エクストリームな状況=登山って考えると、正しい食べ方してますね。安藤百福パイセンに敬礼。

そしてもう一つは手巻寿司を持ってきました。
巻機要素ということでセレクト。
そして米と米が重なるセレクト.......
ロールケーキとかにしておけば更に良かったですね。
次からそうしよう。

お昼を食べたら、真の山頂を目指します。
上の写真中央に真の山頂があります。

道中に池塘が(゜Δ゜)
顏だ。


10分程で真の山頂に到着。
立札は何もなく、ケルンが積まれているだけです。
ちなみに、ここから右奥へ進んで行くと牛ヶ岳へ行けるそうです。
片道40分かかるようなので、今回はパス。
さらに ここを起点として、谷川岳方面に行けるそうです。
巻機山~朝日岳縦走路。
エスケープルート無し、水場無し(途中にある池塘の水のみ)、鬼の藪漕ぎ、夏場は2日かかるそうです。ヤバい。

山頂は、武尊山~尾瀬方面の山々が一望できます。
右奥のギザギザが武尊山。
中央左寄りが至仏山。
左側の雲がかかっているのが、燧ケ岳。また雲の中ですか...


右側の谷川岳方面に続くラインもまた、雲に覆われていました。

中央にどっしり構えるは、武尊山。
武尊山は、巻機山の優しい感じとは異なり、ゴツゴツした岩稜帯が続きます。
6月に登ったけど、大変でした。
今までで、一番きつかったかもしれない。

ピークハントもしたことですし、下山します。
13:00 下山開始。
稜線の右側に雲がせき止められています。
おかげで、割引岳方面、苗場方面、平ヶ岳方面は全く見えずじまいでした。

下山し始めると、途端に雲が覆いかぶさってきます。
晴れは、あの間しか無かったのかもしれません。
運が良かったのでしょうか?
ともあれ、素晴らしい景色を見せてくれた巻機山に感謝!!!

途中、通過した巻機山避難小屋でトイレに入ります。
ちょっと、体験したいことがありまして...
※トイレは、チップ制です(100円程度の寄付)

これです。トイレでまさかの自転車漕ぎ。
巻機山避難小屋のトイレは、バイオトイレでして、
微生物がいろいろ分解してくれているそうです。凄いぞ微生物。
その微生物の分解を促進させるために、
トイレを済ませたら、自転車のペダルを漕いで、微生物のいる反応槽を攪拌させる必要があります。
空気に触れさせて、酵素反応させるわけだから、好気呼吸かな?

避難小屋を背にして下ります。
すでに雲に包まれています。
後は粛々と下るのみ。

ぬかるんだ道を、どんどん下っていきます。
滑らないように注意しながら。
五合目からニセ巻機方面は、すっかり雲の中。
下山途中、脚力がなくなってきた+ソールが柔らかいのもあって、
ソール全体で地面を捉えないと滑るようになってきました。
ヒヤリハットは何回かありましたが、それでも転倒することはなくて、無事に下山できました。

15:36 下山完了。
16:00到着かなと思っていましたが、早めに到着できました。
分岐の立札近くに、上のような看板が。気づかなかった。
どうやら、越後湯沢からタクシーでこの桜坂駐車場まで来れるようです。
新幹線料金+タクシー代....リッチです。
やっぱり、上越周辺の山へのアプローチは、自家用車が便利ではないかと思います。

車で帰る途中、自動販売機でコーラを買う。
登った後の、コーラは本当においしいです。本当に何が入っているんだろう?
失われた糖分.....もとい、Cocaをキメないとダメですね。

登って、Coca-Colaキメたら、風呂です。
これも、切っても切れないルーティーン。
近場にないかなと、途中、コンビニの店員さんに聞いてみました。
温泉ではないですが、銭湯ならありますよ、との情報が。
店員さん、ありがとうございます。親切な人で良かった。
さて、情報を元に向かったのは、金城の里、金城の湯です。聞いたコンビニから5分くらいで着いた。近い。
大人一人:320円ナリ。とても安い。
汗を洗って、ざぶーんと湯船に浸かります。
蓮の花の中にいるような心地よさ。疲れも軽くなるってもんです。

お湯を頂いた後は、まるで呼吸をするかのように、自然にコーヒー牛乳を頂きます。
銭湯を後にして、そのまま高速道路に乗って、前橋ICまで。
渋滞もなく、無事に18:00頃到着。
無性にモスバーガーが食べたくなって、モスを食し、家路に着きました。
以上巻機山登山でした。
まとめにも書いたように、ハイライトはニセ巻機山から山頂まで続く稜線歩き。
優しくて、穏やかな景色を見たいなら、本当にうってつけの山ではないかと思います。
さらに紅葉が進むと、焼けるような山肌になるそうです。
うーむ、コレはもう一度行かなければ! 10月~11月行きたいなぁ。
最後に、トレランシューズを履いてみましたが、
今まで、自分がしっかりとした登山靴に頼っていたせいか、
今までなら滑らなそうな所でも、滑りそうになったりしてしまいました。
ソールの柔らかさ、カットの高さで大分違うことを痛感。
脚力も鍛えないとですね。
さしあたって、もう少し低めの山に登るときは、トレランシューズ使ってみます。
9月になって、山は夏から秋へと移り変わっていきます。
夏と秋の谷間の今日に。
素晴らしい稜線歩きに。
登山が出来ることに感謝!!!
それでは、この一曲で〆!!!
夏と秋の谷間の今日に。
それでは、次の山で。
また明日ヤッホーSTYLE.
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